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目次

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基本情報 Edit Edit

戦闘通常プロフィール
T-70_Battle.pngT-70_Normal.png名前T-70
正式名称Light Tank T-70
レアリティレアリティ_1.png
兵種軽戦車
出身第37学会
CV竹内仁美
所属学連学連_赤色十月同盟学連.png赤色十月同盟学連
SDキャラ
T-70_SD.gif
DOLLS詳細
意気軒昂な女の子で、時には自分のことを小説の主人公だと妄想し、「自分専用の必殺技」を練り上げる為に猛特訓したりするいわゆる痛い子。騎士道物語が好きで、スポーツも全般が得意だが、何故か勉強が大の苦手。
犠牲を厭わず数で敵を押し潰すT-34とは違い、T-70は遮二無二突撃し、戦場一周駆け回った挙げ句、かえって敵を味方の本体に誘き寄せてしまう無神経な所も…よく戦場で肩を並べるT-34にとっては頭痛の種でもある。
入手方法
形態場所備考
DOLLS兵装管理局常設召集】(常設)
情報構成体情報交換所軍備交換?(常設)
戦役勲章(2019/10/25 ~ 2022/3/24)
装甲列車情報箱
イベントキャンディー大作戦!?(2019/10/31 ~ 2019/11/14)
ドロップマップ現在なし
兵装機体改造形態切替:T-70 → T-80 / SU-76
ステータス
Lvジョブ耐久装甲機動対地対空命中貫通会心補正会心ダメ幸運反応
1ポジションスキル_遊撃型_新.png
遊撃型 Lv.1
2952653737583715%160%1539
MAX18418220423523520613215%160%4139
1ポジションスキル_遊撃型_新.png
遊撃型 Lv.2
MAX18418020923623521113520%170%4139
1ポジションスキル_突撃型_新.png
突撃型 Lv.1
2950554137633815%150%1539
MAX18418019423923521113315%150%4139
1ポジションスキル_突撃型_新.png
突撃型 Lv.2
MAX18418720224023521113720%165%4639
+ 旧データ

※MAX値は初期武装、アズバン石なし、全機体改造済、★4のもの。

各種データ Edit Edit

小隊情報 Edit Edit

脅威度遊撃型突撃型
脅威度_低.png 1脅威度_低.png 3
意識容量6
アクションポイント(AP)4
CP回復ポイント2
初期小隊数3
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ポジションスキル Edit Edit

固有スキル所持ジョブ使用形態射程APCP威力効果詳細
ポジションスキル_スキル_固有.png
マッテローヨ!
ポジションスキル_遊撃型_新.png
遊撃型
戦闘アイコン_形態_移動.png
移動
-7~725-自身が移動形態にある場合、
赤色十月同盟学連所属陸上ユニット全員に【会心補正】、
【機動】をアップ(15%/11%/2ターン)。
自身が固守形態にある場合、
赤色十月同盟学連所属陸上ユニット全員に【会心ダメージ】、
【対地火力】をアップ(26%/11%/3ターン)
ポジションスキル_突撃型_新.png
突撃型
戦闘アイコン_形態_移動.png戦闘アイコン_形態_固守.png
移動・固守
+ 各ジョブのポジションスキル一覧
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パッシブスキル Edit Edit

名称効果詳細取得タイミング
対軽型特攻・地自ら軽型陸上ユニットに攻撃を行う際、自身の【対地火力】をアップ(10%)。37mm zis-19 装備時
低温適応性【氷原】、【氷牙】、【氷川】の地形によるデメリットを無効化する。T-70 M 装備時
至近防御(機動)
Lv.M
自身が攻撃を受ける前、
攻撃を行う敵と自身の距離が2マス以内の場合、自身の【機動】をアップ(5%)。
機体改造により開放
危機対応(陸)
Lv.M
自軍フェイズ開始時、自身の前方1~2マスに敵ユニットが存在する場合、
自身の【反応】をアップ(5/1ターン)、【装甲】をアップ(5%/1ターン)。
機体改造により開放
必死の劣勢挽回
Lv.1
戦闘開始後、自身の【ダメージカット】をアップ(5%/3ターン)。
味方のターン開始時に、赤色十月同盟学連所属ユニットが存在する場合、
赤色十月同盟学連所属ユニット4小隊ごとに【CP】を1獲得。
性能突破により開放(星2)
必死の劣勢挽回
Lv.2
戦闘開始後、自身の【ダメージカット】をアップ(10%/3ターン)。
味方のターン開始時に、赤色十月同盟学連所属ユニットが存在する場合、
赤色十月同盟学連所属ユニット3小隊ごとに【CP】を1獲得。
性能突破により開放(星3)
必死の劣勢挽回
Lv.M
戦闘開始後、自身の【ダメージカット】をアップ(15%/3ターン)。
味方のターン開始時に、赤色十月同盟学連所属ユニットが存在する場合、
赤色十月同盟学連所属ユニット2小隊ごとに【CP】を1獲得。
性能突破により開放(星4)
+ 旧データ

武装 Edit Edit

武装_武器.png
武器
改装武器名反応対地対空貫通命中スキル
改装前45mm 20K3937373729-
改装後37mm zis-193937393729対軽型特攻
武装_装備.png
装備
改装装備名耐久機動装甲スキル
改装前T-70295552-
改装後T-70 M325857低温適応性
武装_新弾種_陸上1_通常弾.png
弾種
改装弾種名会心幸運命中スキル
改装ナシ弾種_通常弾.png通常弾15%1529-
+ 旧データ

性能突破 Edit Edit

レアリティ_1_1.png
初期レアリティ
レアリティ_1_2.png
★2
レアリティ_1_3.png
★3
レアリティ_1_4.png
★4
耐久値+14+22+30
対地火力+18+29+38
対空火力+18+29+38
装甲値+17+25+33
機動+18+26+35
命中+19+28+37
貫通+12+18+23
幸運+5+7+9
取得スキル必死の劣勢挽回
Lv.1
必死の劣勢挽回
Lv.2
必死の劣勢挽回
Lv.M
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総評 Edit Edit

軽戦車にも関わらずステータスに対空火力が存在するが、これは改造形態であるT-80に防空型ポジションスキルが存在するため。
T-70の段階では何の意味もないステータスである。

T-80では防空型、SU-76では援護型と、
T-70の改造形態はどちらもポジションスキルが豊富であることが特徴。

+ 旧データ

固有スキル Edit Edit

《マッテローヨ!》

AP2・CP5

+ 旧データ

パッシブスキル Edit Edit

《至近防御(機動)》

《危機対応(陸)》

《必死の劣勢挽回》

+ 旧データ

人格拡張 Edit Edit

運用考察 Edit Edit

その他 Edit Edit

特殊スキン Edit Edit

小ネタ Edit Edit

【DOLLS紹介】
戦車 T-70(CV:竹内仁美@wanwanpag)
意気軒昂な陸戦型DOLLSでやや中二病、自分を小説の主人公だと妄想し、「自分専用の必殺技」を考え猛特訓する。犠牲を厭わず突撃し物量で敵を殲滅するT-34と違い、彼女は遮二無二突撃し、時に一周回って敵を本隊に連れてくる・・・

・T-70のネタ元
T-70(とT-80)のネタで多いのは皆さんご存知「仮面ライダー」である。
しかしネタを全部拾うと「ストロンガーだの龍騎だのドライブだのセイバーだの多すぎて拾いきれない」ため、わかりやすい部分だけを抜粋する。
あとこれを書いてる人が特撮に詳しくない

・通常立ち絵とポーズ
こちらはおそらく初代仮面ライダーの変身ポーズに近い*1と思われる。
また、T-80やSU-76へ改造すると赤いスカーフを首に巻くのも初代モチーフだろう。
実は赤いスカーフを身につける仮面ライダーは、初代ライダーと2号、そしてそのリメイク的作品であるライダーマンを除けばスーパー1くらいしかいなかったりする。
T-80やSU-76の変身ベルトも初代ライダーのそれであろう。
だがT-70の変身ベルトのほうは明らかに初代ライダーのそれではなく、おそらく仮面ライダー龍騎のVバックルだと思われる。

・《マッテローヨ!》《イッテイーヨ!》
元ネタは「仮面ライダードライブ」に登場するガジェット、「シンゴウアックス」。
押しボタン式信号機に斧の刃を取り付けたような見た目をしており、
押しボタンを押すことで「マッテローヨ!」という音声アナウンスと共に赤信号が点灯して信号待ちエネルギーチャージを開始、
エネルギーチャージが完了すると「イッテイーヨ!」という音声アナウンスと共に青信号が点灯して必殺技「アクロスブレイカー」が使用可能となる。
ちなみに青信号が点灯すると街中で聞くこともあるあの「ピッポー、ピッポー」も流れる。なんで?

・牛乳

好きな食べ物を言え?もちろん「牛乳」さ!……もっと良いものを言え?なんでさ?
牛乳って、飲んでも美味しいし、身体にも良いし、ホントに万能飲料だよね!牛乳サイコー!

仮面ライダー剣に登場する人物、「白井 虎太郎」の大好物。しょっちゅう飲んでる。

元ネタ Edit Edit

T-70は1941年にソ連軍が開発した軽戦車である。
ドイツに対し劣勢を強いられたソ連軍から「とにかく戦車の数が必要」ということで軽戦車にも関わらず最前線に大量投入され、T-34などと共にドイツ戦車と激戦を繰り広げた。

・前置き 当時の戦車運用思想 改革から停滞、そして退化
第二次世界大戦序盤、ソ連の陸軍思想は兵士を主軸としたものであり、戦車というものは補助的な存在で扱われた。
理由としては、圧倒的歩兵戦力に物を言わせた人海戦術「スチームローラー」「ヒューマンウェーブ」と呼ばれる、
損害に躊躇しない大規模攻勢・伝統的な兵力集中運用と過剰とも言える火力主義からくる砲兵火力を重視をした為との側面がある。
言わば、WW1型の戦術・戦略思想が当時の赤軍参謀本部や方面軍司令部の高級将校達に未だ根強かったとも言われている。
その一方で、1920年~1930年代にかけて、過去の戦争の経験と研究、ドイツ・ソ連間の秘密軍事協定により得られた機動戦・航空戦を元に新時代の軍事理論(縦深戦略論)を形成し、
組織・装備・人員面での赤軍の近代化に全力傾倒する。
結果、1936年時点では、世界で最も進んだ軍事理論、ラノベ主人公ばりのチート人物:名将トハチェフスキーを中心とした俊英の赤軍将校団、
世界最大規模の機甲部隊と機械化軍を持つ世界最強といっても過言ではない地上軍をソ連は持つ事になったが、まもなく赤軍史上最悪の悲劇が幕を開ける。

時の権力者スターリンによる恐怖の大号令「赤軍大粛清」である。

1937年から1939年に渡る粛清により、トハチェフスキーを中心とした赤軍改革の功労者・実力者は軒並み消滅し、
大佐以上の高級将校が65%も粛清され、今まで築き上げた努力の集大成は崩壊してしまう。
先見性と柔軟さを持つ優秀な赤軍将校団を一瞬にして喪失した赤軍は機能不全を起こし、近代化と機械化の改革は停滞、一時期は退化した。
先進的な機動戦を理解する人間が八割ほどいなくなれば、当然そうなってしまう。
その結果、装備や兵士はいても扱い方を知っている指揮官がおらず、寧ろ粛清により部隊指揮官の不足に悩まされる上、
しょうがなく本来は予備役入りになる古手の将校を再召集する有様だった。
そのため、旧来のWW1型の戦法による考えを持つ保守的な将校と粛清を生き延びた赤軍改革の参謀達の理論がぶつかったり、
交じり合った事で赤軍の戦術・戦略思想は混迷する形になってしまう。
その余波は、戦車開発と運用の面でも現れ、赤軍の混迷期と1930年代後半から生起する幾多の戦乱に翻弄される時代に産まれた戦車達は翻弄される形になっていく。
T-70もその一人である。

・先代の開発 最初は軽戦車から
どの国もそうだが、初期の戦車は軽戦車がメインであり、騎兵に代わる機動戦力として、直接歩兵の支援に当たる有力な存在として注目されていた。
それはソ連も同様で歩兵火力支援を重視した軽歩兵戦車T-26や快速戦車として名高いBT戦車を生み出し、
多くの師団に配備し歩兵部隊の矛と盾となり、時に歩兵の移動手段として運用される事となる。
中戦車や重戦車も極端に砲火力を重視したものから当時世界的に流行っていた砲塔を多数装備した戦車の中の百貨店多砲塔戦車*2など、
試行錯誤しながら多岐に渡るジャンルの戦車を開発する一種の過渡期であった。
1919年から1939年の戦間期と言われる時代は、兵器開発から見れば中庸でありながら、大きく技術躍進する時期であり、各国の戦略・戦術を元にした兵器の模索を追求する研究期間でもあった。
特に1920年から1930年代にかけて低コストで大量調達が可能な戦車の新ジャンル:豆戦車の開発が世界各国の軍関係者や戦車設計者に注目され、傾倒していくのだがソ連もまた例外ではなかった。
ソ連軍は1人乗りの豆戦車の試験と中止を経て1930年代後半には、元の豆戦車から二人乗りの軽戦車へと発展・改良された。
1941年前半頃までソ連軍は軽戦車の開発にかなりの力を注ぎ込み、当時配備された軽戦車達は、何年にも及ぶ試行を経て開発されたものが多く占める運びとなる。

・誕生 全ては時間を稼ぐために
1941年6月、ソ連軍はドイツからの侵攻を受ける。大祖国戦争、いわゆる独ソ戦の始まりである。
電撃的な侵攻を受けたソ連軍は急遽、偵察任務を主眼とした水陸両用軽戦車T-40を非水陸両用型の軽戦車として改造したT-60を開発する。
しかしこのT-60、戦術上の時間稼ぎとして大量投入するべく開発を急いだ結果、前車の最大の欠点である装甲の脆弱性、
対戦車火力不足をそのまま受け継ぐという形になり、敵の戦車に殆ど歯が立たないことが判明してしまう。
また出力不足の為、不整地において重量のある中戦車T-34にもついていけないと、機動力重視の軽戦車として本末転倒な事態に直面する。
その様な状況でもとにかく戦車の数を集めて投入して「時間を稼ぎたい」ソ連側の悲壮な背景から「比較的簡単な設備の工場でも迅速に製造出来る」という理由だけで生産が続けられた。
そしてT-60を強化すべく1941年後半に後継機として開発されたのがT-70である。

・開発経緯 元のコンセプトは豆戦車
T-70に関して言えば、流れはこうなる。
原型は豆戦車開発の系譜から始まり、後にノモンハン事件の教訓を元に装甲を強化した偵察車両として水陸両用戦車T-40が産まれるが、平行して非水陸両用型の車両としてT-40Sが提案される。
そうしてドイツ軍侵攻が始まるとT-40SをT-60に改称し、急遽大量生産を発令し、絶望的な防衛線に投入される。
この流れから見るに当初の開発では水陸両用能力を持つ偵察用軽戦車としての運用を軸としたが、T-60からは本格的な陸上戦闘型に再設計されて対戦車・対歩兵戦闘車両となった事に問題がある。
元のコンセプトは豆戦車からの派生であり、かつ後継機は一応軽戦車だが、機関銃に耐える程度の装甲と最低限の武装を持つ機動力重視の偵察車両に過ぎない。
最初から体躯が小さい二人乗りの戦車だから、装甲や武装を強化してもキャパシティは限られ、
設計チームが苦慮して改良を重ねても根本的な「脆弱な防御性・火力不足」を払拭するのは困難だと言える。
T-70はそのような過程を経て、誕生した軽戦車でもあった。

・開発 先代からの改良
酷評されたT-60を何とか「マシで使える」モノにしようと、幾多の軽戦車開発を担当したN.A.アストロフの設計チームが奮闘することとなる。
彼らがT-60に加えた改良は以下の点である。

  • 45mm戦車砲弾を用い、ZIS-19*3の優秀な機構を取り入れた45mm戦車砲ZIS-19BMを搭載し対戦車能力を向上。
  • エンジンは適切な高出力のものが不足していたため、GAZ-202ガソリン・エンジン(70hp)二基を直列式に搭載した。*4
  • 車体を大型化して前面装甲をT-34のような傾斜装甲と操縦士ハッチに変更、厚さも35~45mmと格段に強化。防盾も60mmへと強化。結果的に前面のみならT-34並の防御力となった。

これらの改良を加えられ、T-40やT-60に比べ格段に強化されたT-70は、以前と比べれば大分マシな戦車となっていた。
が、依然として以下のような問題点が残っていた。

  • 砲火力は相手が重戦車だった場合効果は薄い。
  • 装甲は強化されたが戦車戦で優位に立てる程の装甲はない。
  • 乗員が2名のまま。しかも車長が砲手など*5を兼ねる方式で戦闘面での負担が大きく、速射能力が落ちた。

とはいえ開発から半年後で完成し直ちに大量生産に移るところは、ソ連らしさを感じつつも当時の趨勢が如何に逼迫していたかが良く理解できる。

そして僅かT-70の生産開始二ヶ月ほどで、改良型T-70Mが開発され、以後は生産はT-70Mに移行した。T-70Mの変更点は以下の通り。

  • エンジンがGAZ-203(85hp)に強化。
  • 履帯幅を260mmから300mmに増加。
  • 車体の操縦士用ハッチには直視型の防弾ガラス入り覗視窓が付いていたが上部に新型の旋回式MK-4ペリスコープ*6に変更。
  • 砲塔ハッチのペリスコープも車体の物と同型に、生産後期から砲塔防盾は一体鋳造から溶接組み立てに変更。

また1943年にはT-70の後継機となる砲塔を二人用に変更したT-80が開発されたが、
配備済みのT-70や米英のレンドリース戦車などで十分と判断され、ごく少数が生産されたに留まった。
このほかT-70のシャーシを流用しZIS-3野砲を搭載した自走砲SU-76が開発された。
後に改良型SU-76Mに発展・大量生産され、大戦終盤に活躍することとなる。生残性は低いが…

・実戦 激戦地への投入
速やかに実戦に投入されたT-70は、軽戦車ながらソ連軍の主要機甲戦力をT-60やBT戦車とともに一翼を担った。
しかし月日をかけて何度も改良を重ねた軽戦車ではあっても、元は偵察車両の派生から来る軽車輌クラスを、本格的な戦車戦や歩兵支援に用いる事にはやはり無理があった。
しかも当初は本車の特性を生かされない運用をしたことにより、見る見る損害は増加し「鉄の棺おけ」と呼ばれてもおかしくはない状況であった。
使用したソ連前線部隊や戦車兵から最後まで良い評判は聞かれなかったことからもあまり活躍できていなかったと思われる。
そんなこともあってかソ連軍は戦後「1943年後半までこれら軽戦車の量産を続けたのは失敗だった」と認めている。

さらに悪いことにT-70は遠方から見ると外観がT-34に酷似しているため、ドイツ軍にT-34と誤認される事も多く、
戦場に大量に投入され速度的に戦場に到達するのが早いT-70は格好の餌食となった。
つまりドイツ側の対戦車部隊、機甲部隊に捕捉され次第、優先的に破壊され、一部隊丸ごと殲滅される不運な存在というわけである。
T-34との外見の酷似からドイツ側の記録にある「T-34の撃破記録」のうちの少なからぬ数は実はこのT-70を撃破したものであったのではないか、という考察もある。*7
ちなみにドイツ軍は鹵獲したT-70Mを“Pz.kpfw.T-70 Sd.Kfz 743(r)”の名称で使用している。

性能面の評判は悪かったが、当時はT-60と同様に製造が容易で数が揃いやすく整備性も悪くはない為、生産は続行されていた。
ドイツの侵攻を受けて劣勢に立たされたソ連軍としては、製造が容易であることは重要な要素であり、
例え本車自体に根本的に問題があろうとも「数が揃えば良い」とされた判断もあったのは否定出来ない。
加えて疎開中の工場でT-34やKV-1といった強力な戦車が大量生産され数を揃えて反抗に移るまで、これら軽戦車は時間稼ぎの戦いを止めるわけにはいかなかった。
レンドリースで送られてきたイギリス製戦車と共に、1942年のドイツ軍の夏季攻勢でも投入され、運用が続けられたという側面も無視できない現実である。

そんな踏んだり蹴ったりのT-70だが、目を張る戦果を上げていたりもする。
1944年3月26日、ソ連第3戦車軍に所属するT-70がパンターを撃破する戦果を残している。
このT-70は約150~200メートルの近距離まで接近し、APCR弾*8を用いて遭遇した18輌のパンターの内、1輌を撃破し、もう1輌を戦闘不能に追い込む。
ハンデがありながら、立ち回りの良さを生かしたT-70の数少ない勝利ではなかろうかと思われる。

評価としては、以前のモデルに比べれば、そこそこの活躍を示したが、総じて能力は「凡庸」とされ、本車が特筆な点は生産性だけだった。
偵察車両としては便利であったが、45ミリ主砲だけでは、みるみる強力になるドイツ軍戦車に対抗できる存在ではなかったからである。
その為、T-34KVシリーズが戦場の主役として踊り出ると、それらと入れ替わるように補助的な任務を担当するのがメインになっていく。
用途は車両適正から限られた範囲となり、主に歩兵部隊の近接支援と限定的な偵察のみだったという。
1943年には、軽戦車は時代遅れになっていたが、それでもソ連軍はT-70の生産をその年の10月まで続け、代替戦車としてT-80の開発を進めたが、
途中から「流石にもういらない、価値がない」事に気づいた為、T-80の生産を中止。
生産ラインはT-70の車体を流用するSU-76自走砲の部品製造へ切り替わることとなる。

最終的にT-70シリーズは8,226両が生産された。
因みに前車となるT-60は約6,000両以上が生産され、車体を流用したSU-76シリーズは16,698両が生産されている。
参考としての他軽戦車の数字を載せるとM3スチュアートが13,859両、バレンタイン歩兵戦車が8,275両*9である。
T-60と合わせて「数を揃える」という目的は十分に果たされたと言えるだろう。

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最新の20件を表示しています。 コメントページを参照

  • T-70の元ネタを編集しました。長い文章になってしまいましたが、修正や読みにくい点があれば、コメントください。 -- 2019-11-16 (土) 12:15:22
  • この子だけ駆逐戦車に変形すると火砲のスキル『長距離射程』が使える見たいだけど、バグ? -- 2019-11-20 (水) 10:57:42
    • 時折改造形態で兵種自体が変わる場合に特殊なジョブ持ってるのがいるよ。ハリケーンMk4なんかも軽攻撃機なのに迎撃型持ってるから白刃使えたりする。SU-76の場合は自走砲だから長射程型持ってるんじゃないかな。 -- 2019-11-20 (水) 11:14:02
    • 軽駆逐じゃなくて軽火砲に分類されてるからかね。某戦車ゲーでTDだから違和感あるけど -- 2019-11-20 (水) 12:40:02
  • 顔アイコン見たときはお姉さん系かなと思ったらショタっぽい身体で変なものに目覚めそう -- 2019-11-23 (土) 11:53:08
  • 何気に撫でても怒らない子の一人 -- 2019-12-16 (月) 11:09:11
  • える信じられるか、こいつレニングラード攻防戦でタイガーを五人がかりでひっばって運んだんだぜ() -- [ejeYrGSRybA] 2019-12-21 (土) 14:44:25
  • オオトリ参入☆1さん。陸の龍驤嫌いじゃ無いぞこれからきっちり育成するからね♬。 -- [VqSv/m5N8XU] 2020-01-11 (土) 05:47:51
  • この子初心者には構成体集め辛くない…? -- [wArCg3tlO.U] 2020-01-23 (木) 23:28:46
  • スターリンぇ... -- [HvDs0R/n0ss] 2020-10-12 (月) 12:45:15
  • ベルトが仮面ライダーオーガに見えるのは気のせいか -- [nyYCtAHoLv6] 2020-11-06 (金) 02:41:31
  • 何故か人気がない.. -- 革命騎士団 団員[juzmGCgh3XU] 2021-01-12 (火) 12:58:48
    • せっかくの人気投票期間中なんだ、SNSあたりでどんどん魅力をプレゼンしていけ -- [PA5oBwUxVTY] 2021-01-12 (火) 18:49:20
  • ついに固有スキル名が仮面ライダーネタになってしまった子。
    軽戦車だと信号斧、駆逐になるとハーフボイルドに。 -- [p3A2qj95vBE] 2022-04-03 (日) 16:59:28
  • 革命同志たる同学連のDOLLSと組ませるとぽこじゃかCPを吐き出すようになる
    SU-76に形態変化してもアプデ前からの駆逐と火砲の兼任も相変わらず
    そして可愛い
    いったい誰がこの革命騎士を止められるのかと思う程に恵まれたキャラ
    低レアで入手性にも成長性にも優れる為是非一度触ってみてあげてほしい
    一緒にほっぺたをふにふにしよう -- 革命騎士団員[EkuqKXLMTcQ] 2022-04-06 (水) 07:16:00
お名前: Black Maroon Green Olive Navy Purple Teal Gray Silver Red Lime Yellow Blue Fuchsia Aqua White


*1 その場合右手は正拳突きの構えのように腰に添えるのが正しい
*2 装甲の薄さから実質上、軽戦車
*3 元々T-70に搭載しようとしていた37mm対戦車砲
*4 T-70は初期型としてエンジン二基を搭載するパワー・トレイン方式を採用したが、上手くいかなかったため、すぐに変更。
*5 指揮、偵察、装填、照準など。ぶっちゃけ操縦以外ほぼ全て
*6 レンドリース法で供与された英国戦車の装備品をコピー生産したもの
*7 T-34は57,000両生産で45,000両が損失したとされる。だいたい8割
*8 硬芯徹甲弾。重金属の弾芯を軽金属で覆うことで発射速度を増加して貫徹力を高めた砲弾
*9 イギリスで6,855両、カナダ1,420両

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Last-modified: 2024-04-11 (木) 01:40:35